SAJI

History

匙 SAJ I

物をすくうのに用いる小型の道具。
中国では飯をすくう道具として古くから用いられ,日本でも平安時代にはすでに「かい」と呼ばれ,使用されていたことが『延喜式』の記録に残っている。
「さじ」の呼称は鎌倉時代の茶道の隆盛以降で,「茶匙」の文字があてられ,銀,銅,陶磁器,木,竹などを材料とした。
ヨーロッパでも歴史は古く,新石器時代の遺跡から骨製や素焼のものが出土し,さらに古代エジプトでも化粧料の調合に木,石,象牙,青銅製のものが墓室から発見されている。
ギリシア・ローマ時代には銀,青銅,木,角製のものが食事用に使用されているが,一般化したのは 16世紀以降で,金,銀製のものは財産として家に伝えられた。
その後材料は白銀,洋銀が主となり,現在ではステンレススチールが多く用いられる。

さ じ

人類の文化を遡れば、様々な場所で「匙」にたどり着くことができる。
生まれた時から年老いて眠りゆくまで、匙との関わりは続き、人生という時間の中にひっそりと寄り添っている。
そして、流行に左右される事なく、子や孫へと譲り受け羅れて使われていくものでもある。
“SAJI”の装身具は、そんな時代や国や性別や年齢に左右されることのない、その人の一生にそっと彩りを持たせる存在でありたい。